新着情報

WHAT’S NEW
2025.12.25

―PLK1/WEE1阻害によりDNA修復の弱点を狙い撃ち―

東京大学医学部附属病院の織田克利教授、国田朱子特任講師、同大学院医学系研究科のQian Xi(シー チェン)大学院生(研究当時)らによる研究グループは、BRCA1/2野生型高異型度漿液性卵巣がん(以下BRCA野生型卵巣がん)に対して、PLK1またはWEE1阻害が有効であることを明らかにしました。

本研究では細胞周期のG2/M期チェックポイントを担う酵素であるPLK1やWEE1を阻害すると、BRCA野生型卵巣がん(HRP:相同組換え修復正常)では主要な二本鎖DNA修復機構である相同組換え修復(HR)が抑制され、DNA損傷が蓄積して細胞死が誘導されることを明らかにしました。一方、BRCA変異型卵巣がん(HRD:相同組換え修復欠損)では、非相同末端結合(NHEJ)という別の修復経路が強く働くため、PLK1/WEE1阻害に耐性を示しました。

さらに、患者由来腫瘍(PDX)モデルにおいても、PLK1とWEE1の両阻害薬がHRP腫瘍に選択的に抗腫瘍効果を示しました。本研究はこれまで「薬剤抵抗性の指標」とされてきたHRPを、治療感受性を示すバイオマーカーとして活用できる可能性を示しました。本成果は、BRCA野生型卵巣がんに対する新たな治療戦略として期待されます。