新着情報

WHAT’S NEW
2025.12.24

掲載誌: Cell Death & Disease (2025) 16:905
題 名: PLK1 or WEE1 inhibition targets homologous recombination repair proficiency in BRCA1/2 wild-type high-grade serous ovarian cancer
著者名: Qian Xi, Akiko Kunita*, Miho Ogawa, Masanori Kawakami, Saeko Nagai, Anh Quynh Duong, Ayumi Taguchi, Kousuke Watanabe, Tomohiko Fukuda, Kenbun Sone, Aya Shinozaki-Ushiku, Tetsuo Ushiku, Yasushi Hirota, Hidenori Kage, Kazuhiro Katayama, Katsutoshi Oda* (*責任著者)


高異型度漿液性卵巣癌(HGSOC)の約50%はBRCA1/2野生型で相同組換え修復機能を保持しており(HRP)、プラチナ製剤やPARP阻害剤の効果が限定的で予後不良です。
本研究では、細胞周期制御因子PLK1およびWEE1の阻害が、HRP卵巣癌に対する新たな治療戦略となり得るかを検討しました。HRP(BRCA野生型)細胞株5株とHRD(BRCA変異型)細胞株5株を用いた検討で、HRP細胞はPLK1阻害剤volasertibおよびWEE1阻害剤adavosertibに対して高い感受性を示しました。HRP細胞では、両薬剤によりDNA損傷が蓄積し、RAD51 fociが顕著に減少して相同組換え修復が抑制されました。PLK1阻害は紡錘体形成異常と多倍体化を、WEE1阻害はG2/Mチェックポイント解除による未修復DNA損傷を伴う有糸分裂突入を引き起こし、いずれも有糸分裂破綻と細胞死を誘導しました。
一方、HRD細胞はDNA-PKcs高発現が認められ非相同末端結合(NHEJ)経路が恒常的に活性化しており、両薬剤に抵抗性を示しました。DNA-PKcs阻害剤との併用により感受性が増大することも確認されました。マウスモデル(細胞株由来およびPDX)において、volasertibまたはadavosertibの投与により、HRPモデルでのみ腫瘍増殖を有意に抑制し、HRDモデルでは効果を認めませんでした。
本研究により、HRPがPLK1およびWEE1阻害剤の有効性を予測するバイオマーカーとなり得ることが示されました。BRCA野生型のプラチナ抵抗性症例やPARP阻害剤耐性獲得症例に対するHGSOCの新たな治療選択肢として期待されます。